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コーネルテックの夏学期

Class of 2019のAyumiです。今回は、コーネルテックMBAの夏学期(5月~8月)の授業についてご紹介します。

 

 

夏学期のカリキュラム

私の所属するコーネルテックでは、夏学期(5月~8月)の期間に、必修科目(コア科目)と専門科目の一部を学びます。必修科目では、アカウンティング・ファイナンス・マーケティング・経済学など、MBAの基礎科目が必修としてカリキュラムが組まれています。

 

2年制MBAと同じ教授が担当しており、同じカリキュラムが組まれている授業も多数あります(1年制プログラムのため、時間の都合上、自習が強いられる割合が高めになる授業もあります)。一方、コーネルテックでは、テック業界を志望する学生が大多数のため、必修科目の授業でもケースやリーディング課題でもテック業界を扱う内容が多く課されることが特徴です。

 

テック業界に特化した学び

 

テックMBAの魅力の一つは、入学してすぐにテック業界の最先端について知見を深めることができる環境が整っている点です。たとえば、入学後に卒業生とのスカイプベースでのキャリア相談の場が設けられており、米国でのテック業界の最新事情や、転職活動のスケジュール感などについて、直接生の声を聴くことができる点です。テック業界に特化したプログラムならではの魅力です。また、ジョンソンならではの「スモールコミュニティ」の魅力を体感できる機会でもあります。

 

たとえば、米国で人気のある「プロダクトマネージャー」「プロダクトマネジメント」という職種については、入学後すぐ、卒業生から直接参考文献のリストや、おすすめのポッドキャストのリストを渡されます。また、一口に「プロダクトマネージャー」といっても、大企業(アマゾン、グーグル、マイクロソフトなど)と、スタートアップ寄りの大企業(Uber、AirBnBなど)、そして完全なスタートアップ企業では、求められる役割が異なります。さらに、厳密には大企業と分類される企業の中でも細かな特色があります(たとえば、アマゾンのプロダクトマネージャーは、他社よりも事業開発寄りのスキルセットが求められるなど)。

 

また、テック業界での実績のある学生や、これからテック業界への転職をめざす学生が多いこともあり、授業外でも自主的に学生同士での勉強会を開催しています。私は、「週1回ランチでポッドキャストについて語り合う会」に参加しているのですが、毎週、特定のポッドキャストのプログラムを扱い、みんなでディスカッションを行うのがとても楽しいです。その他、自主的に集まってピッチの練習をしている人、米国のモバイルゲーム市場について研究している人など、様々です。

 

このように、テック業界の職種や業務内容等について、卒業生から直に生の声を聴く機会・学生同士で情報をシェアする機会が多数設けられており、入学後すぐに志望の職種・業界への対策を開始できる点は、テックMBAならではの大きな魅力です。(特定の業界対策や、企業への情報収集などは、全て自力でやろうとすると本当に時間がかかる作業ですので。)

 

 

人気の専門科目

 

コーネルテックでは、入学してすぐに必修科目と並行して専門科目を履修することができます。

 

私は現在、Building Entrepreneurial Venturesという授業を履修しています。教授は、Mukti Khaire(写真左)という、コーネルが2016年にHBSから引き抜いた看板教授です。授業では、「アントレプレナーシップ」の概念や手法についてディスカッションを行うほか、米国のスタートアップ成功事例について、ケースを元に授業を行います。ケース(毎日2本)と参考文献(HBRの記事など教授が色々紹介してくれます)と、必修科目の時期にしては負荷の大きい授業ではあるものの、コーネルテックでは、アントレ分野に興味のある学生が非常に多いため、大変人気の授業です。

 

最近は、日本でも有名なリーン・スタートアップや、Dropboxのマーケティング戦略についてケースを読み、ディスカッションを行いました。授業では、学生同士で意見を出し合えるという点も面白いのですが、興味のある特定の分野(たとえば米国のスタートアップ事例)について、短期間で集中的に数多くの文献を読み、かつディスカッションを行い理解を深めていく、といった学習プロセスは、MBAでなくてはなかなか経験できないものだと感じています。

 

また、コーネルテックではすでに起業経験やスタートアップ経験のある学生が多いこともあり、スタートアップの事例についてディスカッションをする際、「シリコンバレーの××という会社では、こういう事例があったよ」といった現場にもとづいた実践的な議論ができる点も、面白いところです。

ちなみに、これは入学後に知ったことですが、彼女自身も教授という立場ではありつつ、コーネルテックの経営に参画しており、MBAのアドミッションプロセスにも関与しています。これから受験を検討される方でご興味のある方は、ぜひ彼女の動画もご覧ください。

 

 

授業の紹介については、今後も随時更新していきたいと思います。

 


イサカの1年制MBAについても紹介

 

最後になってしまいましたが、コーネルテックの夏学期の授業は、その一部をAMBA(読み方:アンバ)と呼ばれるイサカの1年制MBAプログラムの学生と一緒に受けます。イサカの1年制MBAプログラムは、平均年齢が高いこと(※)、コンサルティングファームや投資銀行での実績のある学生が多いことが特徴です。逆に言うと、キャリアの浅い方や、こうしたバックグラウンドなしでMBA後にコンサルティングファームや投資銀行へのキャリアチェンジをめざす方にはあまり向かないプログラムではありますが(1年制なので時間的な余裕などがない)、すでにバックグラウンドがある方には、1年間でコーネルMBAの学位取得ができる魅力的なプログラムです。

 

※学校が公表する平均年齢は29歳となっているものの、実際のボリュームゾーンは30代前半です。一部のアメリカ人学生が、コーネルの学部卒業後すぐにMBAに入学しているため、彼らが平均年齢を下げていると想定します。

 

 

イサカの1年制MBAは、実は過去数年間、日本人の入学者がいません。「日本人のいない環境で学んでみたい」と希望される方には、密かにおすすめのプログラムです。もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。より詳細の内容をお伝えいたします。